2014年1月15日 ビューティフルライフ
”遷宮”。
この”遷宮”をいう文字やニュースを昨年はよく目にしたかと思います。
伊勢神宮。そして出雲大社。
前者は20年ごとに。そして60年ごとに。
伊勢神宮の式年遷宮を特集した番組では、20年ごとの遷宮を建築技術の伝承が滞りなく行われるためとの解説がされていたような気がします。
それを聞いたときはなるほど・・・と納得もしたのですが、たまたま観た別の特集番組では少し違う視点から遷宮の解説がなされていました。
その違った視点とは、遷宮そのものの”意味”でした。
甦り= 再生 ・ 再誕
この解釈のほうがなんとなくしっくりします。
持統天皇の時代に第一回目の遷宮が行われたとのこと。
力を維持すること
権力を保ち続けること
統制をとってそれを誇示するために遷宮が行われたと・・・。
再生するためには、死は欠かせません。
力を維持するため、成長し続けるためにはあえて壊すことも必要になるのでしょう。
伊勢神宮に限らず、成長し続ける人類にも共通する原則のようなものだと思います。
話は変わりますが、肌のターンオーバーも細胞死と再生を常に繰り返して正常な皮膚としての機能を果たしています。肌細胞もきちんと死んで角質細胞となり、セラミドなどの細胞間脂質を死と同時に放出することによってバリア機能を保つことができます。
再生・再誕。遷宮というものは、人間の営みそのものの象徴のような気がします。
※2008年に出雲大社の『八雲』を拝観できる機会に恵まれました。仮殿に遷されたあとの大屋根の特別拝観は歴史上初だったそうです。この7つしかない『八雲』もまた、”陽極まれば陰”、”陰極まれば陽”といった解釈もあるようで遷宮の意味との共通項があったりします。