「油分でフタ」はできない。
今もなお、テレビＣＭのキャッチコピーが聞こえてきそうですが、
その理論はもう古い知見になっています。
元美容部員の方から伺った化粧水と乳液を使っている女性に乾燥肌が多い事実もこれで説明がつきます。
乾燥肌について正しい理解があれば、乾燥対策や毛穴対策も効果が期待できます。

そもそも乾燥肌とは？
乾燥肌とは、表皮の一番上の層である角質層の水分が少なくなることです。健康な肌の角質層には約２０％の水分を含みます。ざっくり言うとそれ以下の水分の肌が乾燥肌です。

乾燥肌になる理由は何でしょう？

長い間、化粧水でうるおいを与えて、乳液やクリームなどの油分でフタをするのが乾燥対策だと言われてきました。今もそのようなことを謳う化粧品ブランドもありますが、近年の角質層の研究でもっと重要なことが解明されてきました。

乾燥肌になる理由は、角質層の「セラミド」の減少です。
強力な洗浄力の洗顔料で洗い過ぎたり、加齢によってセラミドが減少すると、肌は水分を保つことが出来なくなり乾燥してしまいます。

毛穴を目立たせる要因にもなりうる肌の乾燥を防ぐには？
「セラミド」を損なわないこと、補うことが必要です。

「セラミド」の構造には、親水基（水と結合し易い部分）と疎水基（油と結合し易い部分）を有します。
ハンバーガーのお肉を「水」に見立てると、お肉を挟むバンズが「セラミド」です。「水」を「セラミド」が両側から挟み込んで逃さないようにして角質層の細胞と細胞の隙間を満たすのです。
水分保持力があるヒアルロン酸やコラーゲンを上回る保湿成分がこの「セラミド」です。

「セラミド」が挟み込んで保つ「水分」は、外から与えられた「水分」ではありません。化粧水で与えられる「水分」ではありません。体そのものから湧き出る「水分」を「セラミド」が保持するのです。私たちの体内にはたっぷりの水分があります。容易に無くなるものではありません。十分な水分が体内にあるにも関わらず、肌が乾燥してしまうのは「セラミド」不足が原因です。

この保湿の鍵を握る「セラミド」を守るためにやるべきことがあります。（次回へ）

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