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紫外線とエネルギー保存の法則

2013年5月11日 美人が実践するアンチエイジング美肌術

タイトルが硬い!って女性の方には敬遠されそうです。
でもSPF50の日焼け止めを見るたびに考えてしまいます。

 

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太陽光は、その大部分を占める可視光線とそれ以外の光で構成されます。目に見える光が読んで字のごとく可視光線。プリズムを利用すると紫や青やグリーン、黄色、橙、赤色に分かれる光がそれです。そして大雑把に言うと、可視光線の紫より短い波長の光を紫外線。赤より長い波長の光が赤外線です。
紫外線はさらに3つに分かれます。紫外線の中でも波長が長い方からUV-A、UV-B、UV-C。地上に届く紫外線はA波とB波、C波は届きません(オゾン層で跳ね返しています)。

 

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光は波長がより長い方が散乱しにくくなります。夕日が赤く見えるのは、地上近くを太陽の光が通る際に、地上に漂う塵などに青や紫の光は散乱されてそれらの光が届かないからです。可視光線の中でも波長の長い赤の光は散乱しにくいので地上に届き、私たちは赤い夕陽を見ることができます。

 

 

 

光の波長が異なることにより、紫外線A波、B波もまた届く度合いが異なります。長めの波長のA波は肌の奥の真皮層まで届き、肌内部のタンパク質を変性させるリスクを生じます。また、(B波の影響で生成された)メラニン色素を”酸化”させて褐色に変えます(黒くなるサンタンはA波の影響)。そして短めの波長であるB波は肌表面の表皮層に届きます。すると色素細胞の防御システムが作動してメラニンの生成を促します(赤くなる日焼け=サンバーンはB波による)。身体への影響の機序はA波とB波では少し異なっています。

 

 

2013年の1月からPA++++(Protection Grade of UV-Aの略)まで表示できるようになりました(従来はPA+、++、+++の3種)。地上に届く紫外線の9割以上を占めるといわれるA波に対する注意喚起を促す意図があるのでしょう。光老化といわれる肌への紫外線ダメージは、A波によって真皮層のコラーゲン線維やエラスチンが傷つけられシワやシミを引き起こすことです。※SPFはSun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)の略で、B波を防ぐ度合いを数値化したもの

・PA+      UV-A防御効果がある
・PA++    UV-A防御効果がかなりある
・PA+++   UV-A防御効果が非常にある
・PA++++   UV-A防御効果が極めて高い

紫外線には殺菌や消毒、ビタミンDの合成など化学的作用があります。殺菌や消毒ができるということは、それなりに強いエネルギーを持つ光であるとも言えます。光老化を防ぐために、UV-Aに対して注意するのはとても良いことだと思いますが、1点だけ気になるのはその防ぎ方にあります。

 

 

紫外線を防ぐ方法は「紫外線散乱剤」か「紫外線吸収剤」かその両方を配合することです。その強いエネルギーの紫外線(UV-A)の光を肌に塗った日焼け止めが「吸収」した場合は、その高いエネルギーはどこにいくのでしょうか?
エネルギーには保存の法則があり、今まで存在したエネルギーが突然消えることはありません。「紫外線吸収剤」はその紫外線エネルギーを吸収して熱エネルギーにかえるだけです。では熱に変換されたエネルギーはどうなるのか?少なからず肌にダメージを与えると言われています。肌を細胞レベルで傷つけたり酸化してしまうリスクが高くなるのです。

 

 

SPF値やPA値の数値だけに囚われるのではなく、配合されている成分にも注意を払っていただければと思います。知識と工夫で紫外線をしっかり防いで光老化からお肌を守りましょう!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

追記
数年前、日焼け止めの新規開発していた頃のこと、SPF値が高いとはいえ紫外線吸収剤はどうしても使えませんでした。当時、散乱剤中心の配合ではSPF値は30前後でしたが安心してお使いいただくことの方を選びました。さらに紫外線を防ぐ技術が進歩してほしいと思います。私はいま、海や山の上など紫外線量が多い場所と日常の生活紫外線予防の場面では日焼け止めの使い分けをしています。

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