酵素ダイエットのメカニズム

酵素ダイエットのメカニズム

<はじめに>

「酵素」に多くの注目が集まっています。置き換えダイエットやファスティングダイエットなど、「酵素」を日常的に摂る人がかなり増えてきています。ただ、便秘解消やダイエットに関する宣伝文句だけのイメージで選んでしまって、肝心の「酵素」がどんなものかは意外と知らないままという人も多いとか。せっかく「酵素」を摂るならよく理解してその効果を最大限に活かすほうがメリットも大きいはず。「酵素」のある生活を始めるあなたにはきっと健やかな毎日とスマートな美しいカラダを保ち続ける未来が待っています。

酵素ダイエット1 酵素はなぜ体にいいの?

メカニズム

 第一に、食べ物の消化が良くなり栄養素をスムーズに吸収できます。食べたものがすぐにエネルギー源となるので行動力や活動力がアップします。体内にある「酵素(体内酵素)(※1)」の消耗を防ぐことにもなるので、その結果、代謝もアップして肥満予防や無理のない自然な体型維持、ダイエットにもつながります。

 第二に、腸内腐敗が減って「腸内環境(※2)」が改善します。その結果、「腸管免疫」が向上し病気にかかりにくくなります。酵素を多く含む食品を摂ると血液がサラサラになり微小循環(毛細血管の血流)が良くなる点も大きなメリットです。血液がドロドロでは微小循環が悪化して、全身に酸素も栄養素も回らずに体の組織は壊れてしまいます。特に目や腎臓、脳、子宮、卵巣などの臓器にはスムーズな血の巡りが欠かせません。

  • 〇食べ物の消化・吸収を高める・・・〈便秘予防、ダイエット効果〉
  • 〇吸収された栄養素を体中の細胞にしっかり行き渡らせる・・・〈気力、体力アップ効果〉
  • 〇代謝がアップして痩せやすい体になる・・・〈肥満予防・ダイエット効果〉
  • 〇活性酸素・毒素を除去してくれる・・・〈老化予防、解毒効果〉
  • 〇腸管免疫が向上して病気にかかりにくい・・・〈病気予防、免疫力アップ効果〉
  • 〇ドロドロ血液からサラサラ血液へ・・・〈血流改善、若返り効果〉
  • 〇血流が良くなり肌も明るくなる・・・〈若返り、美肌効果〉

※1 体内酵素

体内で作られる酵素は“体内酵素”と呼ばれています。この“体内酵素”には「消化酵素」と「代謝酵素」の2種類があります。この“体内酵素”は寝ている間に私たちの体の細胞で作られるので、睡眠不足は酵素不足となってしまい体の不調の原因となるのです。

※2 腸内環境

腸内環境が良い状態とは、ビフィズス菌などの善玉菌が豊富にあり悪玉菌との良いバランスが保たれている 状態を意味しています。

酵素ダイエット2 健康にも肌にも良い食べ物の条件とは?

メカニズム

 大切なことはその食べ物を摂ることによって血流が良くなる食べ物です。血流が良ければ、摂った栄養素も全身のいたるところに十分送り届けることができます。
 もうひとつは、腸内腐敗が少ない食べ物。腸内腐敗は病気の原因になります。便通が良くなる食べ物は腸内腐敗を無くし、腸内環境を整えてくれます。
 また、抗酸化力のある食べ物も重要です。さまざまなストレスにより発生する活性酸素は老化を促進し、病気を引き起こします。活性酸素を除去することができるのは抗酸化力のある食べ物です。生の野菜や果物には、体に良い栄養素がたっぷり含まれています。食物繊維も豊富で、ビタミンやミネラル、フィトケミカル(※3)も「食物酵素(※4)」も含まれています。これらの条件にぴったりの下記の食べ物を積極的に摂りましょう。

  • 生野菜
  • 果物
  • 海藻
  • イモ類
  • 豆類
  • 穀類
  • 発酵食品

※3 フィトケミカル

植物由来の栄養素。ブドウやブルーベリーに含まれるアントシアニンや大豆のイソフラボンなどのポリフェノール
類や、ほうれん草のルテイン、トマトやスイカに含まれるリコピンなどのカロテノイド類で抗酸化力の高い成分。

※4 食物酵素

「生」の食べ物(全ての植物や動物)そのものに“食物酵素”として酵素が含まれています。“食物酵素”は食べた物を消化するのを助けてくれます。私たちは、食べ物からも酵素を摂り入れて生きているのです。
※“体内酵素”に対して“食物酵素”は“体外酵素”ともいわれます。

酵素ダイエット3 酵素なしでは体は動かない!

メカニズム

 あらゆる生物の体内におけるすべての働きには、酵素なしでは行うことができません。酵素があってはじめて円滑に働きます。人体中には5,000種以上の酵素が存在します。酵素は食べ物の消化・吸収や体のさまざまな機能を円滑にする生きた栄養素です

 実は、三大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物やビタミン・ミネラルなどの栄養素をたくさん摂ったとしても、酵素が不足するとそれらの栄養素をうまく活かすことができません。なぜなら、体のすべての生化学的な反応の「仲介役」が酵素だからです。酵素が細胞をつくる働きは家を建てることに似ています。柱やコンクリートなど資材がタンパク質や脂質、糖質などの栄養素だとすると、それらの資材(栄養素)を切ったり、組み立てたりする、家造りにおける大工さんの役割が酵素なのです。いくら建築資材がたくさんあっても、作る人がいなければ家は建ちません。実は、酵素は生きるものすべての生命活動の主役なのです。

酵素ダイエット4 生きるために欠かせない酵素の問題点とは?

メカニズム

 体内酵素は大きく分けて消化酵素と代謝酵素の2種類あります。消化酵素は食べた物を消化する酵素でそれ以外はすべて代謝酵素です。毎日酵素は作られていますが、人間の一生涯で生産される酵素の量には限界があります。DNAにより酵素の生涯生産量はあらかじめ決められており、一日の生産量も決まっています。私たちの体は、その限りある量の酵素を消化酵素と代謝酵素に振り分けているのですが、食べ過ぎたり、加熱調理された食事ばかり食べていると、食べ物を消化するのに多くの酵素を消費してしまいます。限りある体内酵素を消化のためだけに大量に使ってしまうと代謝に回す酵素が不足します。酵素不足に陥ってしまうと、まず症状として現れるのが便秘や肥満です。代謝酵素の不足はさまざまな病気を引き起こしてしまいます。

酵素ダイエット5 赤ちゃんは酵素リッチ!

メカニズム

 生まれたばかりの赤ちゃんの体の中は酵素でいっぱいです。体内酵素は0歳~10代が最も多いとされ、20代以降は徐々に減少します。90代を迎える頃には10代の頃の十分の一にまで減ってしまいます。加齢とともに使える体内酵素の量は減少するのです。一定量しかない酵素を毎日消費して生きていくことができるのですが、酵素の減少とともに老化し、病気になり、やがて死を迎えます。年齢を重ねてもいくつになっても健康を保ち続ける秘訣は酵素の無駄使いを無くすことかもしれません。

酵素ダイエット6 キーワードは“生”。 酵素は熱に弱い!

メカニズム

 体内酵素のほかにもう1つ酵素があります。それは、“生”の食物に含まれる「食物酵素」です。植物や動物など命あるものすべてに酵素が存在しており、人間はこれらを食べることによって、外部からも酵素を補充しているのです。食物酵素は食べ物の消化を助ける働きをするので、その分、消化酵素が少なくて済みます。食物酵素をたくさん摂ると消化酵素が節約につながり、体内酵素の多くを代謝酵素に回すことができます。代謝酵素が十分にあると代謝はより活発になり健康につながります。

 ただし、インスタントなどの加工食品や加熱食には酵素はほとんど含まれていません。酵素は生きた栄養素であり主にタンパク質でできているので熱に弱い性質(※5)があります。加熱した食事には生きた酵素は含まれないので、食物酵素を多く摂るには生で食べるのが効果的です。魚のお刺身や生野菜、果物にはみな酵素が含まれており、味噌や納豆、粕漬けなどの発酵食品にも豊富に含まれています。

※5 熱に弱い理由

卵の白味は透明でとろとろしていますが熱をかけると白く固まります。これは白味のタンパク質が加熱され変性し熱をかける前の構造が壊れたから。酵素も同じように、加熱されると酵素のタンパク質が変性して壊れ、酵素は死んで(失活)しまいます。液体の酵素ドリンクなどは製造上加熱殺菌が必要となりますので、酵素そのものは加熱によって失われている可能性があります。

酵素ダイエット7 酵素力をアップする暮らしのヒント

生食と加熱食をバランスよく摂る 

 生の食べ物から食物酵素を取り入れることができますが、生野菜や果物だけでは栄養素が不足します。アミノ酸やビタミンB群などは動物性食品から摂る必要があります。ビタミンB12は野菜にはあまり存在しません。また、大根やシイタケなどは加熱すると栄養価が高まり、煮野菜は栄養素が吸収されやすいメリットもあります。生の食品を6~7割、加熱食は3~4割くらいのバランスで摂ることが酵素栄養学(※7)の観点から推奨されています。

焼き魚に大根おろしの科学的根拠 

メカニズム

 大根おろしにはたくさんの種類の酵素が含まれています。デンプンを分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼなど。活性酸素を撃退するカタラーゼという酵素や癌(ガン)の原因といわれる「コゲ」を無毒化する酵素も含まれているのでとても理に適っている組み合わせです。
 ステーキにパイナップルが添えられているのも、お肉のタンパク質をやわらかくする酵素がパイナップルには豊富に含まれているから、生ハムとメロンのオードブルも消化を助ける組み合わせです。

ひと口で30回!よく噛んで食べるだけで酵素節約  

 よく噛んで食べると酵素の節約につながります。唾液にはデンプンを分解する消化酵素、アミラーゼが含まれています。胃の中でもアミラーゼは分泌されるのですが、事前にしっかり咀嚼(そしゃく)することで胃での消化の負担が軽くなり消化酵素が節約できます。子供の頃から「よく噛んで食べなさい」と言われていたのは健康のために大切なことだからです。ダイエットしたい方はひと口30回以上、できれば50回くらい意識して嚙む習慣をぜひ!消化もよくなり少量でも満腹感が得られるのでダイエットにはまず嚙むことです。

食べ過ぎは酵素の浪費! 

 「腹八分は医者いらず」と昔からよくいいます。酵素の働きを考えるとこれはとても理にかなっています。
食べ過ぎは酵素を浪費して代謝が悪くなり体の不調の原因となります。食後に眠くなるのは食べ過ぎのサインです。体内酵素は睡眠中に作られるので、食べ過ぎで酵素を大量に消耗すると、急いで酵素を作らなければならなくなり体が休めと命令するから眠くなるのです。ゆっくり嚙んで食事をすれば、栄養素をしっかり消化・吸収でき、便秘予防、肥満予防になるのでこれに勝る健康法はありません!とくに体内酵素が減少する40代以降は、腹六分~七分くらいでも良いといわれています。

夜遅い夕食はやめてみる 

メカニズム

 どうしても残業などで帰宅が遅くなって夕食も遅い時間という人は多いでしょう。夕食は夜8時までに済ませるのが体には良いようです。酵素栄養学では夜の8時以降は「代謝の時間」です。この「代謝の時間」は、代謝に必要な栄養素を体中に届けたり、新たな細胞を作ったり、修復したり、酵素を作る時間帯です。夜8時までが無理でもできるだけ夜の10時までには夕食を済ませましょう。夜10時以降の食事は、食べた物が脂肪になりやすいともいわれていますので、やむを得ない場合は量を少なめにしましょう。

腸内環境を整える  

 体内で作られる酵素の大部分は腸内細菌が作り出しているといわれています。100種類以上、100兆個もあるといわれる腸内細菌(常在菌)は、消化しきれなかった食べ物の残りカスなどをエサとして腸の中に棲んでいます。腸内細菌はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌(※8)と腐敗産物をつくる悪玉菌(※9)、そして善玉、悪玉そのどちらにもなり得る日和見菌(ひよりみきん)の3つに分類され、ある一定のバランスで腸の中に存在します。
 酵素がない加工食品や加熱食ばかり食べていると、悪玉菌が増えて腸内環境は悪化します。腸内環境が悪化すると酵素も減ってしまいます。善玉菌のエサになる食物繊維が豊富な野菜や果物など、腸内細菌が喜ぶ食生活を心がけましょう。

※8 善玉菌

善玉菌を増やすとおなかの調子が良くなります。そうするにはバランスのとれた食生活が大切です。偏った食事や食べ過ぎ、飲み過ぎ、過労やストレスに注意して、善玉菌が増える生活習慣を身につけましょう。

※9 悪玉菌

悪玉菌が増え過ぎると健康を害することになりますが、悪玉菌も役に立っているのです。外部から細菌やウィルスが侵入するとそれらを排除し私たちの体を守ってくれています。

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